Theories and frameworks for disaster grief care:
A scoping review
災害時グリーフケアにおける理論・枠組み:スコーピングレビュー
Reiko SAKASHITA1, Kenji AWAMURA2 and Miho NISHITANI1
1College of Nursing Art and Science, University of Hyogo, Akashi, Japan
2Graduate School of Nursing Art and Science, University of Hyogo, Akashi, Hyogo, Japan
DOI: https:// doi.org/10.24298/hedn.2026-SP05
抄録
目的:災害時グリーフケアを支える理論・枠組み・モデルを整理し、それらがどのように適用されてきたかを記述する。
方法:Arksey & O’Malleyの枠組みに基づきスコーピングレビューを実施した。PubMed、MEDLINE、CINAHL、医中誌Webを用い、収載開始から2025年12月24日までの英語・日本語文献を検索した。災害の影響を受けた人々に対するグリーフケアを導く理論・枠組み・モデルを明示的に記述した原著論文、レビュー、論説を対象に含めた。2名のレビュアーが独立して文献選択とデータ抽出を行った。
結果:計773件の文献が同定され、17文献を採択した。出版数は大規模災害後に増加する傾向にありCOVID-19パンデミック期に増加していた。アプローチは主に3群に分類された。(1) 理論に基づくグリーフケア:二重過程モデル(Dual Process Model)、あいまいな喪失理論(Ambiguous Loss Theory)、喪の課題(Tasks of Mourning)。(2) 地域・公衆衛生志向の枠組み:三層支援モデルおよびCompassionate Communities。(3) 心理療法的アプローチ:遷延性悲嘆症の認知モデル、眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)、および統合的アプローチ。これらの枠組みは、災害時の制約に対応するために、一般的な支援から専門的治療までを段階的に組み立てるのに用いられていた。そこには、遠隔での提供、文化的適応、専門職と地域住民の協働・調整が含まれていた。
結論:災害時グリーフケアでは、個人・家族・地域・臨床の各レベルにまたがる複数の理論が使われていた一方で、災害時のグリーフケアそのものを体系的に説明する理論に欠けている。このギャップを埋めるために看護研究は重要な役割を果たすことが可能である。次のステップとして、災害時グリーフケアに関する状況特定理論の構築を促進し、現場での実装を行い実現可能性、文化的適合性を検証していく必要がある。
キーワード:災害;悲嘆;死別;理論;スコーピングレビュー
序論
近年、自然災害の頻発および規模の拡大に加え、パンデミック等に伴う死亡の増加により、大量の死別が世界各地で生じている。このような状況下では、死別はもはや個人の私的な体験にとどまらず、地域社会や社会システム全体が共有する喪失として理解される傾向が強まっている。例えば、国連防災機関(UNDRR)は、2000~2019年の間に世界で7,348件の大規模災害が発生し、約123万人が死亡し、約42億人が被災したと報告しており、災害がもたらす人的影響の大きさが示されている(Office for Disaster Risk Reduction[UNDRR], 2020)。災害は家族や友人の死にとどまらず、住居、雇用、地域インフラといった複数の喪失を同時にもたらすことが多い。緊急時には、メンタルヘルスや心理社会的支援(死別に伴う支援ニーズへの配慮を含む)が、必要不可欠なものとして位置づけられている(Inter-Agency Standing Committee[IASC], 2007)。看護師を含む医療専門職は、避難所、仮設住宅、地域保健活動、医療機関、在宅ケアなど多様な場で、被災者と時間をかけて関わりながら、災害対応と復興において重要な役割を担う(International Council of Nurses[ICN], 2019)。
先行研究によれば、災害状況下の悲嘆は、通常の死別とは異なる複数の条件が重なって生じる点に特徴がある。具体的には、突然でしばしば暴力的な死、行方不明者や遺体未確認に伴う曖昧な喪失(Boss, 1999)、葬儀や弔いの儀礼の制限や中断、そして日常生活の再建に関わる慢性的ストレスなどである(IASC, 2007;Norris ら, 2002a)。とりわけ、感染症アウトブレイク時には、葬儀や弔いの儀礼の制限、社会的接触の減少が、より重い悲嘆反応と関連することが示されている(Eisma & Tamminga, 2022)。さらに、コミュニティ全体が広範な喪失を経験する場合、個人の悲嘆は社会的・環境的要因の影響をより強く受け、トラウマに関連した反応や支援が長期化するリスクが高まる可能性がある(Harrop ら, 2020;Norris ら, 2002a, 2002b)。近年では、遷延性悲嘆症(Prolonged Grief Disorder: PGD)がICD-11に収載され(WHO, n.d.)、メタアナリシスにより自然災害後のPGD有病率が高いことも示されている(Zareiyan ら, 2024)。これらを総合すると、災害時グリーフケアは、個人の情動反応にとどまらず、家族、地域社会、制度的環境まで含む多層的な視点から概念化する必要があることが示唆される。
このように複雑な文脈において、理論や概念枠組みは、支援の目標、介入の焦点、適切なアウトカム指標を明確化し、実践・教育・研究をつなぐ共通基盤を提供し得る。理論的基盤が明確でない場合、支援は断片化したままとなり、対象集団や支援のタイミングに即した介入設計やアウトカム評価が困難になる可能性がある(Harrop ら, 2020)。しかし、災害時グリーフケアで実際に用いられてきた理論的アプローチについては、体系的な検討が十分に行われていないように見受けられる。そこで本研究は、スコーピングレビューにより災害時グリーフケアに関連する理論や枠組みを包括的にマッピングし、その適用領域(対象者、タイミング、場)および用途(現象の説明、介入設計、評価の指針)を明らかにすることを目的とする。
方法
研究デザインとリサーチクエスチョン
本研究は、ArkseyおよびO’Malley(2005)が提案した枠組みに基づくスコーピングレビューとして実施し、Scoping ReviewsのためのPRISMA拡張版(PRISMA-ScR)チェックリスト(Tricco ら, 2018)に準拠して報告した。研究課題は、(1) 災害状況下のグリーフケアにおいて、どのような理論が用いられてきたのか、(2) それらの理論は、誰に対して、どのような状況で適用されてきたのか、の2点である。
文献検索戦略
PubMed、MEDLINE、CINAHL、医中誌Webを検索した。検索期間は各データベースの収載開始時点から2025年12月24日までとし、英語または日本語で出版された文献を対象とした。検索語および検索戦略の詳細はTable 1に示す。本研究の目的は災害時グリーフケアを支える理論を同定することであったが、文献においては理論的基盤を示す用語として「theory」「conceptual framework」「framework」「model」など、重複するラベルが用いられる可能性がある。そこで、関連文献の取りこぼしを最小限にして検索感度を高めるため、これらの用語すべてを検索戦略に組み込んだ。
適格基準
以下の条件を満たす場合に採択対象とした。
(1) パンデミックを含む災害の文脈における悲嘆を扱っていること、
(2) 被災者(生存者)に対する死別支援またはグリーフケアについて論じていること、
(3) 理論、理論的枠組み、理論的モデルのいずれかについて論じていること、
(4) 原著論文、レビュー論文、または論説として公表されていること。
一方、以下に該当する研究は除外した。
(1) 理論の内容の説明がないもの、
(2) 悲嘆に焦点を当てず一般的な心理的問題を扱っているもの、
(3) 悲嘆過程に焦点を当てているがケアに関する具体的記述がないもの、
(4) 学会抄録(会議録)であるもの。
重複文献を除外した後、2段階のスクリーニングを行った。まずタイトルと抄録によるスクリーニングを実施し、続いて全文スクリーニングを行った。両段階とも2名のレビュアーが独立して記録を評価した。判定が一致しない場合は、合意に至るまで討議により調整した。研究選択の過程はPRISMA-ScRフローダイアグラムを用いて要約した。
データ抽出(チャーティング)と統合
採択した論文から、著者名、出版年、国、理論/枠組み/モデル名、災害の種類、対象集団、論文種別、および理論の特徴に関する情報を抽出した。抽出データは表形式で整理し、災害時グリーフケアにおける理論の特徴および使用方法を比較したうえで、記述的に統合した。
結果
1. 研究選択と特性
データベース検索により773件の文献が特定された。重複除外およびスクリーニングを経て、28編の全文論文を適格性評価の対象とし、そのうち17編を分析対象として採択した(Fig. 1)。採択論文の概要はTable 2に示す。出版数は、9.11同時多発テロや東日本大震災などの大規模災害後に増加する傾向がみられ、COVID-19パンデミック期には顕著な増加が認められた。著者所属国は多様であり、近年の文献では国際共同著者による研究が増加していた。著者の専門分野は複数にわたり、心理学が最も多かった一方で、看護研究者が関与した研究は2編のみであった。
2. 特定された理論・枠組み・モデル
採択文献から抽出された理論・枠組み・モデルは、以下の3つに分類に整理された:(1) 理論に基づくグリーフケア、(2) 地域・公衆衛生志向のグリーフケア、(3) 心理療法的アプローチ。各カテゴリーの内容を以下に示す。
2.1.1. 二重過程モデル(Dual Process Model)に基づくグリーフケア
複数の文献において、災害に関連した死別に二重過程モデル(Dual Process Model:DPM)が適用されていた(Stroebe & Schut, 2020;Yu ら, 2024;Zhou ら, 2025)。DPMは、死別後の適応を、喪失志向(loss-oriented:LO)および回復志向(restoration-oriented:RO)というストレッサーに対応しながら、死別者がLO対処とRO対処の間を行き来する動的な自己調整プロセスとして概念化されている(Stroebe & Schut, 1999)。喪失志向(LO)とは、喪失に直接関係する側面に向き合い、それを処理すること(例:故人とのつながりを保つ活動)を含む。一方、回復志向(RO)とは、新たな役割の獲得、実務的課題への対処、人間関係の再構築といった、二次的な生活変化に目を向けることを指す。中心となるメカニズムは「振動(oscillation)」であり、LOとROの間を行き来しながら、すなわち喪失に直面する時期と回復する時期を交互に繰り返す点にある。DPMに基づく介入は、この適応的な振動を支援し、過負荷(すなわち、本人が対処能力を上回ると感じる状態)を避けるよう支援の量や内容を調整することを目的とする。StroebeとSchut(2020)は、この枠組みがCOVID-19パンデミック下の死別に対しても有用であることを論じた。
DPMを基盤として、Yu ら(2024)はCOVID-19パンデミック期に提供された心理社会的な遺族支援介入である「Be Together Program(BTP)」を開発した。本プログラムはLOとROの両要素に対応していたが、ROの要素により重点が置かれていた。提供方法は協働モデルであり、ソーシャルワーカーが主たる実施者となり、メンタルヘルス専門職がオンライン講義、コンサルテーション、スーパービジョンを通じて支援した。継続的な遠隔参加を促すために、WeChatが主要なプラットフォームとして用いられた。介入はグループセッションと個別支援を組み合わせ、個別ニーズに対応するためソーシャルワーカーとの継続的な1対1の支援も含まれていた。また、文化的妥当性を高めるため、中国文化の要素(例:健康に関するセッション、伝統的儀礼、食事や交流を基盤とした活動)が取り入れられた。著者らは、プログラム実施後に参加者の悲嘆スコアが低下したことを報告した。
Zhou ら(2025)は、儒教的視点(例:身体的死を超えた生命の連続性、儀礼の重視、中庸を重んじ極端に偏らない、道徳的自己修養)を取り入れた、DPMに基づくグループ介入を報告した。この介入はLOおよびROの両要素を含み、ROセッションでは、故人の肯定的な道徳性を受け継ぐこと、敬意ある言動を模倣すること、故人の貢献を引き継ぐこと、新たな役割や責任への適応、受容に向けた取り組み、新たな人生の価値や将来の可能性の探索といったテーマが扱われた。著者らは、精神健康に関するアウトカムの改善を報告した。
2.1.2. あいまいな喪失理論(Ambiguous Loss Theory)に基づくグリーフケア
あいまいな喪失理論(Ambiguous Loss Theory)は、災害に関連した死別、とりわけ行方不明者や遺体未確認といった状況において、しばしば参照されていた(Boss ら, 2003;Ikeno, 2012;Kurokawa, 2021;Setou ら, 2015)。あいまいな喪失とは、本人の生死や喪失そのものの状態が不確かなままであるため、終結や、意思決定、役割の再編成を進めることが困難となる喪失体験を指す。文献では、臨床の焦点は曖昧さを早急に「解決」することではなく、不確実性とともに生きる力を支えること、関係性のつながりを保つこと、そして家族や地域の資源を動員することに置くべきであると強調されていた。
Boss ら(2003)は、9.11同時多発テロ後に、労働組合員の遺族に対してあいまいな喪失理論に基づく家族療法を実施した事例を報告した。東日本大震災(2011年3月11日)においても、多数の行方不明者と大規模な避難が生じ、長期にわたる不確実性と多層的な喪失がもたらされた。
池埜(2012)は、曖昧な喪失理論について、概念的基盤、実証的根拠、臨床的含意についてレビューを行い、東日本大震災後の行方不明者家族を支援するための実践的方向性として、情報提供、当事者家族同士のつながりの促進、そして地域の伝統・慣習・弔いの儀礼に沿い文化的に配慮された支援を提案した。瀬藤ら(2015)は、Boss博士を招いたワークショップの開催などの実践的取り組みを報告し、あいまいな喪失の概念を用いて、遺族の反応を病気や問題として捉えるのではなく、「区切りがつかない状態(non-closure)」を正常なものとして捉えることを示した。さらに家族や地域の関係性を支えることで、意味づけ、希望、レジリエンスを促進することを示した。黒川(2021)は、阪神・淡路大震災、東日本大震災、COVID-19パンデミックにおけるグリーフケアを振り返りながら、あいまいな喪失理論の有用性をさらに論じた。
2.1.3. Wordenの喪の課題Tasks of Mourning
Laranjeira ら(2022)は、COVID-19パンデミック下の遺族ケアに関する文献において、Wordenの喪の課題(Tasks of Mourning)(Worden, 2018)を悲嘆に関連する枠組みとして紹介している。このモデルは災害を前提として開発されたものではないが、悲嘆を、死別者が喪失に適応するために(しばしば直線的ではなく行きつ戻りつしながら)取り組む能動的な「課題」として概念化している。具体的には、(I) 喪失の現実を受け入れること、(II) 悲嘆の痛みを処理すること、(III) 故人のいない世界に適応すること、(IV) 新たな生活を歩み始める中で、故人との持続的なつながりを見いだすこと、の4つである。この枠組みは、支援としてどのような関わりが有効かを具体化するのに役立つ。例えば、否認を強めない形で受容を促すこと、喪失について表現し語る機会を提供すること、外的・内的・スピリチュアルな適応を支えること、そして生活への再関与を促しつつ追悼を支援することが挙げられる。さらにWordenは、悲嘆反応に影響する媒介要因として、故人との関係性や愛着、死の状況、これまでの経験、パーソナリティ、社会的要因、同時に存在するストレッサーなどを示した。
2.1.4. Walshの家族レジリエンス枠組みFamily Resilience Framework
Walsh(2020)は、COVID-19パンデミックに関連する喪失に対して家族レジリエンス枠組みを適用した。家族レジリエンスとは、家族システムが困難に耐え、回復し、さらに資源を獲得していく動的なプロセスとして概念化される。Walshは、信念体系(belief systems)、組織化プロセス(organizational processes)、コミュニケーション/問題解決(communication/problem-solving)の3領域からなる実践マップを提示し、それぞれの領域における主要な介入プロセスを強調した。パンデミックに関しては、とくに信念体系が重視され、以下の支援が示された。(1) パンデミック体験の意味づけ:安全や予測可能性に関する前提が揺らぐ中で、家族がパンデミック関連の喪失を理解し意味づけできるよう支援すること、(2) 前向きな見通し:悲嘆の只中にあっても、主体的に行動し現実的な希望や可能性に目を向けるように支援すること、(3) 超越性とスピリチュアリティ:超越的価値観やスピリチュアルな資源(例:祈り/瞑想、信仰や地域集団とのつながり、自然や芸術との関わり)を活用すること、である。また本枠組みは、適応のペースは家族の準備性に応じて時間をかけて進むことも強調している。
2.1.5. ナラティブに基づくグリーフケアNarrative based grief care
倉西(2021)は、死別を経験した子どもへの実践をもとに、ナラティブに基づくグリーフケアを提案した。ナラティブに基づくグリーフケアは、死別体験を子どもの人生全体の物語の中の「ひとつの物語」として捉え直すことを支援するものである。このアプローチでは、死別を経験した子どもを、自身の体験を語る「語り手」として尊重し、語り直すプロセスを通じて意味づけとレジリエンスの促進を図る。また、支援者の理解や支援は、唯一の正しい説明としてではなく、あくまで可能な「ひとつの物語」として位置づけられる。支援とは、支援者と子どもが視点をすり合わせながら、子どもが生きていける新たな物語をともに形づくっていく協働的なプロセスであるとした。
2.2. 地域・公衆衛生志向のグリーフケア
2.2.1. 3段階(3層)フレームワーク
3段階(または3層)フレームワークは、被災した地域社会において、ニーズやリスクに応じて死別支援を整理する方法として記述されていた(Killikelly ら, 2021;Takahashi, 2012;Wade ら, 2012)。具体的内容は文献によって異なるものの、これらの枠組みは概ね、公衆衛生的アプローチに基づく死別支援と整合しており、普遍的支援から専門的ケアまでを段階化したサービス提供を提案していた。
Wade ら(2012)は、2009年にオーストラリアのビクトリア州で起きた大規模森林火災の後に開発された、エビデンスに基づく3段階の支援枠組を紹介した。レベル1は心理的応急処置(Psychological First Aid:PFA)に相当し、災害直後に地域住民が簡便かつ実用的な回復方法をとれるよう促すことを目的としており、地域づくりプログラムを含む場合もある。レベル2は、Skills for Psychological Recovery(SPR)(Berkowitz ら, 2010)に基づく支援で、継続しているが臨床診断には至らない被災者を対象とする。著者らは、このような中等度の困難は死別によって強まる可能性があることを指摘し、SPRのモジュール(例:反応のマネジメント〔Managing Reactions〕や悲嘆反応に関する情報シート等)を用いることが、状況理解を助け、日常に取り入れやすい対処法の支援に役立つと述べている。レベル3は、複雑性悲嘆を含む診断可能な精神健康問題を発症した者に対する、専門的な評価と治療を行う段階である。
高橋(2012)は、東日本大震災後のグリーフケアとして、(1) 近隣住民・親族・学校・職場などが担う日常的な悲嘆支援、(2) ケアプログラムを通じた非日常的で構造化された悲嘆支援、(3) 複雑性悲嘆や精神疾患に対する専門的介入、から成る3段階アプローチを示した。
Killikelly ら(2021)は、Rumbold と Aoun(2015)のアプローチに基づき、COVID-19に対応した遺族ケアの3層モデルを提案した。これは「適切な時期に、適切なレベルのケア」を提供することを目的とし、介入を一般(general)、選択的(selective)、適応的(indicated)の3段階に分類している。一般層では、リーフレットやセルフヘルプガイダンスに加え、非公式かつ最前線の支援(例:友人・家族/ピアサポート、家庭医、看護師、その他の現場の支援者による支援)が行われる。選択的層では、メンタルヘルス専門職以外による支援(例:地域団体、訓練を受けたボランティア、聖職者による支援)が提供される。適応的層では、高リスク・高ニーズ群に対し、訓練を受けた専門臨床家による専門的支援が行われ、慢性的な併存症を伴うPGDやPTSD、うつ病を有する者には、より集中的な専門治療が行われる。
2.2. コンパッショネイト・コミュニティCompassionate Communities
Ummel ら(2022)は、COVID-19による制限下のケベック州において、死別支援サービスが不足する一方で、介護施設への外部介護者の面会が禁止されるなどの状況を背景に設立されたオンライン支援コミュニティ「J’accompagne」について記述した。本取り組みは、Kellehearのコンパッショネイト(思いやりのある)コミュニティ枠組み(Kellehear, 2005, 2013, 2016)に基づき、(1) パンデミック下の悲嘆体験に対する理解を深めること、(2) オンラインの支援的コミュニティを形成することで遺族の孤立を軽減すること、(3) 支援を求める人々に対して具体的な指針を提供すること、(4) 終末期ケアにおける課題やパンデミック下の悲嘆の理解を社会全体に広げるための教育を行うこと、を目的とした。本活動は、協力団体と共同で開発され、8つの領域(教育・研修、ホスピス/介護施設、メディア/ソーシャルメディア、追悼、祝福、芸術実践/ストーリーテリング、社会的に周縁化された集団、レビュー/評価)にわたって企画・実施された。著者らは本取り組みを、当事者の力を引き出し、連帯を育むためのコミュニティ支援であると位置づけている。
2.3. 心理療法的アプローチ
2.3.1. 遷延性悲嘆症(PGD)の認知モデル
Duffy と Wild(2023)は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のために開発された認知モデル(Ehlers & Clark, 2000)をPGDに適用した。治療目標は、故人を「忘れる」「手放す」ことではなく、喪失に関する記憶との関係を更新することを通じて、故人の意味を人生の中に保ちながら前に進めるよう支援することとして位置づけられた。
2.3.2. 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)
Solomon と Hensley(2020)は、COVID-19の文脈における悲嘆と喪のためのEMDR療法について論じ、適応的情報処理モデル(Adaptive Information Processing model)に基づく治療枠組みを提示し、症例を示して説明した。EMDRは、喪失に関連する苦痛な記憶を想起しながら、両側性刺激(例:眼球運動)を用いることで再処理を促し、苦痛の軽減と適応的統合を促進する。
2.3.3. 統合的・多面的な心理学的介入
Domínguez-Rodríguez ら(2021)は、COVID-19パンデミック期に、複雑性悲嘆のリスク低減とQOL向上を目的とした自己実施型オンライン介入(「Grief COVID/Duelo COVID」)を開発し、COVID-19流行期に死別を経験した18歳以上の成人を対象とするランダム化比較試験(RCT)を計画した。本プログラムは全12セッションで構成され、認知行動療法(CBT)、マインドフルネス、行動活性化、ポジティブ心理学を統合している。内容は、悲嘆に関する心理教育と段階、感情やニーズの特定、喪失の痛みに向き合うこと、COVID-19による悲嘆過程の中断への対処、別れのための方略、セルフケア、日常活動および支援ネットワークへの再参加、人生における故人の位置づけの再構成、目標設定、再発予防などを含んでいた。
Laranjeira ら(2022)は、COVID-19に関連する遺族ケアに関するスコーピングレビューにおいて、CBTに基づく介入、マインドフルネス技法、行動活性化、ポジティブ心理学に加え、複数要素から成るオンラインプロトコル(例:Domínguez-Rodríguez ら, 2021)などの心理学的アプローチを紹介した。
考察
主な知見
本スコーピングレビューでは、災害時グリーフケアにおいて用いられている理論・枠組み・モデルを、複数の学問領域および多様な現場にわたって整理し、(1) 理論に基づくグリーフケア、(2) 地域・公衆衛生志向のグリーフケア、(3) 心理療法的アプローチ、の3領域に分類した。これらの領域を通して、災害時グリーフケアは、個人・家族・地域社会・専門的治療にまたがる多層的なシステムとして構成され、文化的文脈の影響を受けながら展開されていることが示された。
二重過程モデルやあいまいな喪失理論などの理論に基づくアプローチは、個人および家族レベルでの適応を支援するための指針を提供する。地域・公衆衛生志向のアプローチ、特に3層モデルは、被災者のニーズとリスクに応じて支援方法を整理し、限られた資源を配分するための枠組みを提示する。さらにCompassionate Communitiesは、死と喪失を地域全体の課題として捉え、孤立や支援の分断が生じる中でつながりを再構築する方向性を示す。総じて、災害時グリーフケアは単一の介入や理論に還元できるものではなく、被災した集団、支援のタイミング、提供場所、制約条件に合わせて支援を柔軟に組み立てる必要がある。
大規模災害後、特にCOVID-19パンデミック時に出版数が増加していることから、災害はグリーフケアの実装の変化(例:遠隔提供、文化的適応、分野横断的連携)を促進し得ることが文献から示唆された。しかし、災害の最中に適用可能な「災害に備えたグリーフケア」の理論化は依然として限定的であった。また、本レビューで特定された内容は、理論・枠組みから実践モデル、介入プログラム、治療プロトコルまで幅広く、精錬度や抽象度が大きく異なっていた。これは災害時グリーフケアの多層性を示す一方で、その中核要素や適応条件が体系的に明確化されていない現状も浮き彫りにしている。
悲嘆理論の変遷と災害時グリーフケアの理論的特徴
悲嘆に関する初期の理解は、段階的かつ直線的な過程として捉えられることが多く、支援目標も「前に進む」「手放す」といった表現で語られる場合があった(例:Bowlby, 1980;Kübler-Ross, 1969;Parkes, 1985)。その後、喪失体験が必ずしも直線的な順序で進行するわけではないことを示す知見が蓄積され、非直線性と多様性(個人差)を重視する近年の理論的発展につながっている(Hall, 2014)。例えばDual Process Modelは、喪失志向と回復志向の間を揺れ動くことを適応過程として概念化している(Stroebe & Schut, 1999)。また「継続する絆(continuing bonds)」の概念は、故人との内的なつながりを保つことを通じた適応の重要性を示している(Klass ら, 1996)。さらにあいまいな喪失理論は、死の確認ができない場合や境界を明確にできない場合に、持続する不確実性が喪失の本質的特徴となることを強調している(Boss, 1991)。
本レビューで同定された枠組みは、これらの悲嘆に関する知見の流れを発展させつつ、災害時グリーフケアを以下の特徴によって捉えていた。すなわち、喪失志向と回復志向の間を行き来する非直線的適応、持続する不確実性とともに生きること、意味・希望・スピリチュアリティ、役割再編と生活課題への適応、そして文化と儀礼の重要性である。災害状況では、悲嘆を複雑化させる条件が集中的に生じやすい。具体的には、予期しない大量死、複数の喪失、二次的ストレッサーの増大、看取りや弔いの儀礼の制限、支援資源の不足と偏在、地域機能の低下、そして長期化する不確実性である(Stroebe & Schut, 2020)。特にCOVID-19パンデミックでは、儀礼や社会的接触の制限、医療・福祉サービスへのアクセス制約が顕著であり、遠隔・デジタル手段を用いた実践がより可視化された(Laranjeira ら, 2022)。さらに、地域の価値観や儀礼実践を取り入れた文化統合的介入の報告は、災害時グリーフケアが文化的世界観に深く根ざしていることを示している。以上より、災害時グリーフケアは、非直線性、持続する不確実性、社会的制約(儀礼や交流の制限を含む)、および文化的基盤に対応する必要性によって特徴づけられると考えられる。
理論化のギャップと状況特異的理論の開発
本レビューで同定された枠組みの多くは、二重過程モデル、あいまいな喪失理論、課題志向モデル、家族レジリエンス枠組みなど、既存の理論やモデルを援用し、災害という文脈におけるケアの指針として用いていた。しかし、採択文献の中には、災害時グリーフケアをそれ自体の現象として体系化し、中核概念、プロセス、メカニズム、適用条件を明確に示す理論は確認されなかった。言い換えれば、災害時グリーフケアは既存理論に基づいて理解・実践されているものの、その知見が文脈に即した明確な理論として統合されているとは言い難い。
災害状況では、悲嘆のあり方を形づくり、ケアを複雑化させる条件が重なりやすい。具体的には、突然性、複数の喪失、日常生活の破綻、行方不明者や遺体未確認による不確実性、儀礼の制限、支援資源の不足や偏在・分断などである(Stroebe & Schut, 2020)。これらの特徴により、通常の悲嘆への支援をそのまま適用することには限界がある。さらに、喪失の性質や制約条件は災害の種類(例:自然災害、人為災害、パンデミック)によっても異なり得る。以上を踏まえると、文脈条件を明示的に取り込んだ「状況特異的理論」として災害時グリーフケアを発展させることは有用である可能性がある。
状況特異的理論は、看護現象の多様性と複雑性、ならびに実践における社会政治的・文化的・歴史的文脈を取り込むために、Im と Meleis(1999)によって提案された。抽象度を抑えつつ特定の現象と文脈を反映させることで、研究と実践を結びつけることができる。この理論開発プロセスには、一般に、前提の明確化、複数の情報源の活用、理論化、報告と検証が含まれる。本レビューで整理した理論・枠組みは、これらの各段階における基盤となり得る。例えば、Stroebe と Schut(2020)はDPMを用いてパンデミック下の死別に関するエビデンスを整理しているが、こうした取り組みを発展させ、概念・メカニズム・文脈依存的条件を明確に特定することは、災害時グリーフケアの状況特異的理論の構築に寄与し得る。
さらに、既存文献の多くは悲嘆そのものを現象として扱う一方で、ケアのプロセスが必ずしも直接的に理論化されていない点も課題である。このギャップは、看護のケア理論や、実装志向の理論化の過程を参考にすることで解決する可能性がある。災害時には、ケア提供者や提供方法が多様化し、グリーフケアは地域の復興過程の中に組み込まれることが多い。したがって、有用な枠組みには、「何を提供するか」だけでなく、「誰が」「誰に(どのレベルで)」「どのような手段で」「いつ」提供するのかといった過程を明確に示すことが求められる。そのような枠組みの構築には、質的研究や混合研究法に加え、ステークホルダーとの共創プロセスを通じた概念開発を反復的に進めることが必要である。
災害時グリーフケアに対する看護の貢献
本レビューでは、著者が看護分野に所属する文献は比較的少なく、多くは心理学関連分野に所属していた。この傾向は、遺族支援の専門職化が進み、グリーフカウンセリングや心理療法が研究およびサービスの議論で重視されやすいことを反映している可能性がある(Abel ら, 2023;Pearce, 2019)。しかし災害状況下では、看護職は、対応から復興に至る各段階で遺族と接する機会が多く、実践における看護の貢献は大きいにもかかわらず、文献上では十分に示されていない可能性がある(ICN, 2019)。
第一に、看護師は、悲嘆に関連するニーズを評価し、段階化された支援へつなぐ「入口(ゲートウェイ)」としての役割を果たし得る。遺族支援の3層公衆衛生モデルにおいては、普遍的支援へのアクセスを確保するとともに、追加的ニーズを有する人へのより構造化された支援、高リスクまたは重症度の高い状態にある人への専門的ケアへと適切に接続することが含まれる(Aoun ら, 2012, 2015)。
第二に、看護師は急性期から回復期にかけて継続的に関わることが多く、悲嘆が非直線的に進行し、時間とともに実生活上の課題が変化することを前提とするアプローチを行うのに適している。災害特有の制約、例えばCOVID-19パンデミック下における別れの機会の制限や葬儀・社会的接触の制約は、柔軟で文脈に即した支援、ならびにサービス間の調整の必要性を一層強調する。
第三に、災害では弔いの儀礼が制限され、社会的つながりが断たれやすいため、看護支援には、文化に配慮した代替的な方法の提示、追悼や語りの機会の提供、家族および地域のつながりの再構築に向けた支援が含まれ得る。総じて看護師は、個人・家族・地域の視点を統合した災害時グリーフケアを提供し、また調整する立場として適している。
本レビューの強みと今後の課題
本スコーピングレビューは、災害時グリーフケアにおいて参照されている理論・枠組み・モデルを、多様な情報源を横断して整理・統合した点に意義がある。これにより、災害時グリーフケアが個人・家族・地域・専門的治療を含む多層的な支援システムとして構成されていること、また報告されているアプローチには、層別化(段階化)された支援、文化的適応、遠隔での提供、分野横断的な連携といった、災害状況に応じた要素が組み込まれていることが明らかになった。
一方で、いくつかの限界点もある。本研究はスコーピングレビューであるため、介入の有効性を比較したり、因果関係を推論したりすることを目的としていない。また、採択文献はCOVID-19パンデミックに関連する文献の割合が高く、災害の種類に偏りがある。そのため、得られた知見を災害一般へ拡張して解釈する際には慎重さが求められる。さらに、本レビューの対象となった知見は、理論・概念枠組み・実践モデル・介入プログラム・治療モデルなど、性質の異なる多様な形態を含んでいた。この多様性は当該領域の特徴を反映する一方で、「理論的発展」や記述の精緻さを評価することを難しくしている。
今後の研究は、主に3つの課題に取り組む必要がある。第一に、災害時グリーフケアを状況特異的理論として発展させるために、以下の要素間の関係を整理する概念的検討が求められる。すなわち、(a) 災害の種類・フェーズ・状況における制約、(b) 対象レベル(個人・家族・地域)、(c) ケアの構成要素と想定されるメカニズム(例:意味づけ、儀礼、社会的つながり、情報支援、役割再編、症状焦点型の方略)、(d) 提供者と提供様式(専門職/非専門職、遠隔/対面、個別/集団)、(e) アウトカム(例:悲嘆症状、生活機能、レジリエンス、社会的つながり)である。
第二に、介入研究では有効性だけでなく、災害状況で特に重要となる実装関連アウトカム(実現可能性や持続可能性)も評価すべきである。加えて、資源制約やサービス提供能力の変動が避けられないことを踏まえ、到達度や維持といった集団への影響指標も検討する必要がある(Glasgow ら, 1999;Proctor ら, 2011)。さらに、透明性のある文化的適応プロセスを通じて文化的適合性を記録・評価することは、多様な被災集団における受容性や導入の促進につながる可能性がある(Bernal ら, 2009)。
第三に、災害時グリーフケアにおける看護実践知を蓄積し、理論化していく取り組みが求められる。看護の強みである、時間をかけた継続的な遺族への伴走、日常生活の再建に組み込まれた支援、文化に根ざしたケアの調整といった要素を概念化し、心理学的アプローチや公衆衛生モデルと統合していくことが重要である。そのためには、質的研究や混合研究法に加え、ステークホルダーとの共創を通じた反復的な概念開発が必要であり、これらを通して、より実装可能で文脈に適合した災害時グリーフケアのシステムへ発展していくことが期待される。
結論
本スコーピングレビューでは、災害時グリーフケアにおいて参照されている理論および枠組みを整理し、(1) 理論に基づくグリーフケア、(2) 地域・公衆衛生志向のグリーフケア、(3) 心理療法的アプローチ、の3領域に分類した。これらの領域を通して、支援は個人・家族・地域社会・専門的治療を含む多層的なシステムとして構成されていた。特に、二重過程モデルや曖昧な喪失理論といった理論は、非直線的な適応や不確実性とともに生きる必要性を踏まえたケアの方向性を示していた。一方、3層(3段階)モデルは、資源制約下における段階化された支援経路を整理する枠組みとして機能していた。さらに、COVID-19パンデミックの文脈で蓄積された文献は、儀礼の制限や社会的孤立の深まりに対応する上で、遠隔での支援提供、文化的適応、多職種連携の重要性を強調していた。
その一方で、本レビューで同定されたエビデンスは、理論・概念枠組みから実践モデル、介入プログラム、治療アプローチに至るまで、抽象度や理論的発展段階に大きな幅があった。その結果、災害時グリーフケアの中核要素、メカニズム、適用条件、アウトカムは、まだ一貫した形で体系化されていない。今後は、災害の種類やフェーズ、社会的制約、文化的文脈を明示的に取り込んだ状況特異的理論として災害時グリーフケアを発展させるとともに、実装に関わるアウトカムを含む評価研究を進める必要がある。加えて、看護の実践知をより可視化し、心理学的・公衆衛生的アプローチと統合していくことは、より実装可能で文脈に応答した災害時グリーフケアのシステム構築に寄与すると考えられる。
表1関連する可能性のある文献を同定するために用いた検索戦略
表2採用文献の特徴
図 文献検索結果のフローダイアグラム
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